【食品メーカー営業の裏話】つらかった経験編① 実は"売れすぎ"も辛い!?
どうもかずーきです!!(@kazuuuuuuuukin)
割とホワイトな食品メーカーでぬるっと営業一筋なアラサーリーマンです!今回は食品メーカーに勤務していないと感じることのない"つらかった経験"について書きます。
製品の"売れすぎ"にフォーカスを当てますが、コロナウイルスの影響で家庭内での食品需要が拡大しているまさに今、タイムリーな話題です。
また食品メーカー勤務の方に共感を頂けるとこれまた嬉しいですね!笑
製品の"売れすぎ"とは!?
まずはどうなったら"売れすぎ"と言えるのかについてです。
簡単に言うと、
ここでいう供給は"生産"で、需要は食品商社や小売店からの"オーダー"を指します。
基本的に食品メーカーは前年や前月の売上、営業の販売見込などを基準に生産量を決めます。
"大きく上回る"と言うのはメーカーの生産計画にもよりますが、前年の1.5倍くらいのオーダーが急激に続いてしまうというイメージです。
製品を生産し過ぎると在庫の保管料が掛かることや賞味期限切れによる廃棄処分になってしまうので、生産量は慎重に決定します。
ではどういった時が"売れすぎ"状態なのか、具体例で説明します。
①SNSでレシピがバズった!カルビー"じゃがりこ"の例
カルビーが製造・販売をしている"じゃがりこ"は皆さんご存知かと思います。
そんな"じゃがりこ"のアレンジレシピである"じゃがアリゴ"がSNSを起点にバズりました。
レシピ研究でどんどん有名になっている"リュウジおにいさん"のツイートです。笑
恐ろしく簡単に今流行りのフランスの伸びるチーズマッシュポテト「アリゴ」をじゃがりこで錬成することに成功しました
— リュウジ@料理のおにいさんバズレシピ (@ore825) January 28, 2019
「じゃがアリゴ」
じゃがりこ一個に塩とさけるチーズ一本裂いて入れ熱湯150cc入れ蓋し数分待ち混ぜるだけ
じゃがりことさけるチーズが旨いから当然旨い、約束された勝利、お勧め pic.twitter.com/WtLdmBAUfN
matome.naver.jp
このレシピがバズった結果、こんな事に・・・↓
matome.naver.jp
スーパーの棚から消えてしまうということは、まさに”売れすぎ”状態です。
続いてはコロナウイルスによるタイムリーな事例です。
②コロナ自粛・休校で家ごはん需要爆発
これはまさにこの記事を書いている今起きていることです。(2020/5/15)
"新型コロナウイルス感染防止"のため3月下旬より自粛ムードが高まり、4月上旬から5月現在まで緊急事態宣言が発令されています。
食品メーカーはコロナウイルスにより売上の追い風を受ける数少ない業界です。
外食の自粛や学校の休校、そしてリモートワークの推進によって自宅でご飯を食べる機会が急増しました。
その結果、家庭用食品の需要が急激に拡大しています。
注:海外の売上比率が高いメーカーや外食やホテル向けに強い業務用が主力のメーカーにとっては逆風です
上記の記事に取り上げられていますが、今回は納豆やカレー、麺類など広範囲の食品に影響が出ています。
現在は粉物やパスタの品薄状態が続いており、スーパーの棚がスカスカになっています。
これも生産という供給のキャパシティを需要がオーバーしたことで起きた事例です。。
買い物行ったらさ。。
— ゆる色おかあさん (@yuruiromam) May 6, 2020
ずーーーっと粉もんが売り切れなの😢
我が家の大好きな
極もちホットケーキミックスが
ずっと無いの😢
お好み焼粉もたこ焼き粉も小麦粉も、、
これ、いつからなんー😢
なんかあった?!
あと、パスタソースもネェ!
ネェネェネェ!
ぴえん( ;∀;)
以上2つの"売れすぎ"事例を解説しました。
ここからが本題で、このような"売れすぎ"が起きれば食品メーカー営業はウハウハではないのか!?
なぜ"つらかった経験"なのか!?解説していきます。
需要拡大で売上絶好調!?その裏で起きている戦い
"売れすぎ"って食品メーカーにとって、
特に営業にとっては万々歳じゃん!?
と大半の方が感じると思います。
もちろん売れてくれるのは大変ありがたいことで、実際ウハウハです。笑
しかし"売れすぎ"状態になり製品が品薄になるとウハウハを通り越して地獄となります・・。
お得意先からの激怒必至!品薄による謝罪の日々
上記のような感じで特定の製品の需要が急拡大するとメーカーの在庫はどんどん減っていき、生産量よりもオーダー量が上回り、品薄状態になります。
ここからの対応はメーカーによって異なると思いますが、オーダーに対する"出荷の調整"が行われます。
具体的には、納品日の延期や数量の変更をお得意先に交渉します。
この時矢面に立つのが"営業"です!!笑
品薄による延着で、供給が何とか繋がっていればまだなんとか・・・という状態ですが"欠品"になるともう終わりです。笑
食品商社は欠品しようものなら小売店に怒られます。
小売店は棚がスカスカの状態になれば、お客さんに怒られます。
コロナの影響でマスクが依然品薄気味ですが、お客さんから過激なクレームを受けて心を痛めているドラッグストアの店員さんのニュースを見ると心が痛いです・・。
と言うことで食品商社や小売店からすると
"メーカーは何やってんだ!製品を供給することが仕事だろう!"
となって"お叱り"と言うより"ブチ切れられる"のは当然の結果なのです。笑
おっしゃるとおり、弁解の余地なしでもう頭を下げるしか無いんですよね・・。
オーダーは毎日くるので、その度に営業は担当のお得意先に連絡を入れ、謝ります。
この時のストレスは結構やばいです・・。笑
どうやって乗り切るの?
"売れすぎ"による品薄や欠品はどの食品メーカーでも起こりうる事態です。
そんな状況を乗り切るにはお得意先との良好な関係を日頃から作っていくことが大事です。
あとは在庫が少ない中で、自分の担当先には少しでも出荷できるように社内交渉をしていくことも自分の身を守る方法の一つです。
私もつらい時がありますが、日々コミュニケーション能力やテクニックを磨いて頑張っています・・・。
特に下の2冊の考え方・テクニックは自分の営業スキルを上げてくれたのでおすすめです!
今回はつらかった経験がメインでしたが、
コロナによって各業界が軒並み厳しい状況の中、食品メーカーといった内需業界の安定感を改めて実感しました!
こういった良い部分もまた記事にできればと思います!
最後までお読み頂きありがとうございました!