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【食品メーカー営業の裏話】お得意先ってどこ!?"物流"と"商流"視点からを解説

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どうもかずーきです!!(@kazuuuuuuuukin)

割とホワイトな食品メーカーでぬるっと営業一筋なアラサーリーマンです!

今回は食品メーカー営業の"お得意先"編です。

あんたのお得意先ってどこなの!?

こんな質問に対して"物流"と"商流"の視点から解説します!

そして消費者にどのように製品が届けられているのか、また食品業界ではどのようにお金のやり取りが行われているのか、深堀りしてまいります!

あくまで一例であり、例外もございますのでご了承くださいね!



物流の仕組み

まずは作られた製品がどのように消費者の元に届けられるのかを説明します。

製品の流れとしては・・・
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①食品メーカーで製造・出荷

②食品商社のセンターに納品

③小売業の運営する各店に納品
(もしくは小売業のセンターを介して各店に納品)

④店頭に並び消費者の元へ

ざっくり説明するとこんな感じです!

基本的には食品メーカーが小売業の各お店に配送しているわけではなく、"食品商社"や"小売業"のセンターに納品します。

(自社配送の食品メーカーもあります!)

数百ある食品メーカーが1社ずつトラックで納品してきたらお店はパニックになりますよね!

人件費や納品の効率化など諸々の事情があるため、センターで店ごとに製品がまとめられて各店に納品される流れです。

商流の仕組み

メーカーの製品は色々な過程を経て消費者に届いていることはわかったけど・・売上はどこからもらってるの?

基本的にメーカーの売上は"食品商社"から頂いています!

(食品商社を介さず、食品メーカーと小売業で直接取引をしていることもあります。)

食品メーカーの売上は"食品商社から頂いており、商流(お金の流れ)のイメージは以下の通りです。

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入社前はスーパーなどの小売業から売上が発生していると思っていましたが、売上の大半は"食品商社"から頂きます。

食品メーカーのお得意先は?

売上は"食品商社"から頂いている・・・

ということは、食品メーカー営業マンのお得意先は"食品商社"だけなの?

それがそういうわけにはいかないんです!汗

ここが新入社員の理解を苦しめるところですが、"食品商社"と"小売業"どちらも"お得意先"です。

"食品商社"とは食品卸や食品ベンダー、食品問屋などと同意です。

下記のサイトに売上ランキングが載っておりますが、三菱食品や伊藤忠食品、加藤産業といった企業が挙げられます。

https://www.tensyoku-station.jp/industry/食品商社/co_sales/

そしてお得意先は"食品商社"だけではなく、最終的に消費者に販売をする"小売業"もお得意先です。

"小売業"はスーパーがパッと思い浮かぶと思いますが、コンビニやデパート、ディスカウントストアや通販など多様な業態が含まれます。

国内では皆さんご存知のイオンやセブン&アイが上位に入ります。

業績ランキング - 小売業 - 売上高順 1~20位 | Ullet(ユーレット)

"小売業"とは製品の売上のやり取りはなくとも年間の販売契約などを組み、直接お金を支払うことがあります。

【販売契約の例】
Aカレーの仕入数量が前年比110%以上の達成で100万円のお支払を致します
超ざっくりしてますが(笑)これだけ仕入れてくれればお金戻しますよ〜みたいな内容です。

普段の商談の流れは?

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そんじゃあ"食品商社"と"小売業"の2社に対して、普段はどう言った流れで商談をしているのさ

ここも難しいところ・・・解説します!

ってことで食品メーカーの営業マンは"普段どういう流れで商談しているのか"をざっくり説明します!

前述したように"食品商社"と"小売業"の2業種が実質のお得意先ということですが、まずは"食品商社"と商談をします。

基本的に食品メーカーは"食品商社"への卸価格を決め、"食品商社"が"小売業"への納品価格を決めます。

食品メーカーが"食品商社"への合意なしに"小売業"へ製品の価格を勝手に提示すると"食品商社"にぶち殺されます。笑

"食品商社"にとっても"小売業"はお得意先なので"食品メーカー"と事前に価格や数量などをしっかり打ち合わせて"小売業"への商談に臨みます。

食品メーカー営業にとって"食品商社"は製品を納品するお得意先でありつつも"小売業"に一緒に売り込んでいく相棒のような存在になります。

"食品商社"の担当者が敏腕であれば、食品メーカー営業が"小売店"に足を運ばなくても売上を作ってきてくれる場合もあるので、"食品商社"の担当者との関係作りも大事になります。


お得意先が2つあると結構つらい

上では結構な綺麗事を書いてしまいましたが、要するに"食品商社"も"小売業"どちらも意識して営業をしていかないといけないのでシビアな状況に追い込まれることもあります。笑

経験上、"食品商社"と"小売業"が結託して食品メーカーから値引きを引き出そうとするなんてこともあります。

商流上、最も川上にいる食品メーカーは一見強いように感じますが、あくまでお金を受け取る立場なので"食品商社"、"小売業"よりも完全に弱い立場にあります。

『もうあなたのところには製品卸しませんよ?』

なんて言っちゃうことができるメーカーは本当に一握り・・というよりもはやないかもしれません。笑

食品業界は基本的にルート営業なので、お得意先と太く長く繋がることが正解なのです。

仮に上のような強気の発言をできる機会はあっても、商売は続くので後々の関係性を考えると何でもかんでも無下にはできないのです。

特に今は国内人口が減少している中で、"食品商社"も"小売業"も業界の集約が進み、生き残っている1企業1企業の力が強くなっています。

1企業ごとの仕入れの力が強ければ強いほど、価格交渉もシビア・・

前年は5千万円の売上実績があるのに、『今年はB食品さんを売り込みたいんだよね〜』なんて言われた商談帰りは超辛いです・・笑

圧倒的なシェアや人気を誇る商品をバンバン開発する食品メーカーであればあるほど、そう言った状況に陥ることは少ないです。

食品メーカーって最悪?

え!?なんか食品メーカーって立場弱くて最悪じゃん!

いや、そうでもないんです!

ここまで読んでいただくと、"お得意先"に対する立場の弱さを実感してしまったかと思います。

しかし食品メーカーは"食品商社"や"小売業"よりも年収が高かったり、福利厚生が充実していたり、土日はしっかり休めたりと本質的な部分は有利な場合が多いです!

もちろん"食品商社"や"小売業"も企業によりますがブラックな噂を結構頻繁に聞いたりすることがあります。

食品業界は"薄利多売"なので基本的に利益率が低いことや、人口減少による競争の悪化がこのような構造を生んでいると思います。

ただし食品は生活必需品であることから安定性はめちゃめちゃ高いです。

最近ではコロナウイルスで各業界が疲弊している中で、外食を除く内需の食品業界は絶好調です。
"食品メーカー"の良いところ編でまた詳しく解説できればと思います。

食品メーカーを目指すなら大手ホワイト企業だけ!

これは現役食品メーカー営業マンからのアドバイスです。笑

就職した食品メーカーが中小のブラック企業であった場合、"待遇や働き方は悪い"、"立場は弱い"で完全にゲームオーバーです・・。

食品メーカーへの就職・転職を目指すのであれば四季報をよく読み、実際に社員の話をしっかりと聞いてホワイト企業であることを確かめましょう。

ホワイト、ブラックの基準はまた別記事で解説していきたいと思います!

もし『もうブラックな食品企業に就職しちゃったよ!』という方には2つの道がオススメです。

①即座に別業界への転職活動をする
②3年くらい死ぬ気でやって、大手ホワイト企業に転職する
個人的には②の方がおすすめです。

まず①の理由ですが、食品メーカーの営業をしても資格やスキルはあまり身につきません。笑

コミュニケーション能力と算数ができればやっていける業界です。

若く体力と伸びしろがあるうちに、せめてスキルが身に付くブラック企業にいってください。

おすすめの②ですが、3年間くらい死ぬ気で働いて大きい"得意先"の担当をこなし、ホワイトな食品メーカーに転職することです!

大手の食品メーカーって新卒で入るにはそれなりの学歴が求められたり、倍率が高かったりするので中々難易度高めです。

しかし中途採用では即戦力が求められているので、

『ブラック食品でこんな多くの"得意先"を担当してこんな成果を出しました!』

なんて採用担当に語ることができれば、学歴関係なしで採用されることがあります。

もちろん海外に力を向けている企業では英語が必要だったり・・・

何てこともありますので転職に向けた準備やキャリア作りを着々と進めていくことが大事です!

儲かっている大手食品メーカーは"ヒト・モノ・カネ"のリソースがも中小食品企業とは段違いです。

そのため一度転職に成功すれば、"仕事が少ないのに年収上がる""休み増える""福利厚生最高"みたいなことになると思います。

食品メーカー志望の方の参考になれば幸いです!

以上、現役食品メーカー営業マンの裏話でした!

最後までお読み頂きありがとうございました。